上方社会人落語連盟
上方社会人落語連盟は西日本を中心に活動する、社会人落語愛好メンバーの集まりです。

上方社会人落語連盟
上方社会人落語連盟設立趣意
かつて落語が元気であった時代、スポットが当たった時期が確かにありました。東京では歴史的にも人材的にも継続的で安定した人気を誇り、多数の名人・上手と呼ばれる人達を擁していました。大阪でも特に昭和40年代後半に起こった落語ブームで人気者を生み、プロの噺家の数を一気に増やし、落語会、地域寄席などにも多くの観客が集まりました。一方、それに影響され、私たち、アマチュアの落語愛好家の活動も全国的に活発化し、大学、高校に、一時は中学校にまで落研ができ、社会人の中でも会派が多数興り、若者文化として落語が受け入れられました。そこからプロになり現在も活躍している方々も多く出ています。概ね、このあたりが、私たちがリアルタイムで知り得る概況であり、昭和期・戦後以降での落語黄金時代と言えるでしょう。
しかし、徐々にその勢いも翳りはじめ、一部のプロ噺家以外はマスコミにも、話題にものらず、落語界全体で見れば活況とはとても言い難い有り様。アマチュアの世界はもっと酷く、大学の落研の勢力は低下し、全盛期には両手に余るほど存在した会派(サークル)も、今では片手がやっとというのが実態。大学の部活でも、社会人の場面でも落語を始める、あるいは続けるという環境ではなくなってきています。とはいえ、現実に少数でもいくつかの会派が活動を続けている現実があり、また、プロにはならなかった(なれなかった)多くの落語好き人間の中にも、演りたくて悶々としている人達が潜在的にあるのも事実です。
そんな状況をふまえ、演る方にも、聞く方にも広く落語に触れる場と機会を創る意味から、その気になれば、どこかで誰かと落語ができるよう、1973年『中之島まつりでの落語会』を興し、東京で先行している『全日本社会人落語協会JARA』と交流する中で生まれた『全日本社会人落語選手権・大阪本選』を1995年から開催、この二つの活動を任意の集まりとして行ってきました。回を重ね、先々の展望を模索している最中、折悪しく、2000年3月にその中心人物である河乃源伍郎氏が惜しくも志半ばで急逝するにあたり、彼の遺志を継ぎ、その活動をより堅固に解りやすく、確立させようとの気運が盛り上がり、この度、本連盟設立の運びとなった次第です。設立にあたり、「まず、落語が好きでありたい」。これを前提とします。好きこそものの、何とやら・・・。また、愛するもの、好きなものの状況や行く末が気になるのは当然のことと思うからです。
この連盟は、私たちの落語への愛の告白です。好きな落語とずっと一緒にいたいから、落語をしっかり見つめていたいから。基本的には、<社会人の立場で落語を演る者の集まり>ですが、<とりあえず、落語が好きな人の集まり>でもあります。落語の現状を認識し、継承し、若い世代へ引き継ぐことも念頭に取り組み、時代の風に添って走りながら、将来的なビジョンを引き出し、中身を動かしていこうと考えています。まだまだ未成熟な部分も多々ありますが、何とぞ、主旨をご理解、ご賛同の上、一人でも多くの加盟を賜りたくお願い申し上げます。
平成12年12月12日上方社会人落語連盟 設立にあたり前代表 著
